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※任意団体SPREAD当時に公開されたコラムです。

総務省 情報流通行政局 情報セキュリティ対策室 中谷 純之(なかたに じゅんじ) 氏

►登場人物紹介
ヤストモ:1990年代からタイムスリップしてきた法律系(30代)
コウジ:デジタルネイティブでちょっとやんちゃなバンドマン(20代)
ジュンジ:棒読みファンタジスタ(30代)

コウジ:スマ村について改めて考えてみたけど、情報セキュリティやマナーの課題があるなら、いっそのこと、これらのツールを使わないというのも手なのかなぁ。

ジュンジ: 使わないという選択肢は、リスクを「回避」するということになる。その場合、たしかにリスクは顕在化しないかもしれないけど、そのツールによってもたらされる便益をも放棄することになる。

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コウジ:たしかにそうだな。「リスク回避」は、被害の発生頻度や影響度がすごく大きかったり、対策の打ちようがなかったり、そういう場合に選択するリスク管理手法だよな。

ヤストモ:スマ村での暮らし方を考えるとき、得られる効用として、「利便性」だけでなく「豊かさ」という観点の重要だよね。

コウジ:たしかにそうだな。スマ村での暮らしはたしかに「便利」だけど、道具や仕組みを活かして生活を「豊か」にするのは、最終的には利用者自身だよな。もちろん、サービス提供者も、利用者にとって価値があるサービスを常に開発してくれているんだろうけど。

ヤストモ:それに、スマホを覗いても、自らの進むべき道は見えない。未来新聞や未来ニュースが映っているわけではない。未来は、無線LANに乗ってやってはこない。

ジュンジ:スマホや無線LANだけじゃなくて、クラウドにも同じようなことが言えるかもしれないね。ただ、クラウドについては、逆の発想で、知らぬ間に守ってくれる『クラウド型セキュリティ』やガソリンのサービスステーションみたいなものが登場したらうれしいよね。

ヤストモ:第1回で、優先席やスマ歩の光景を目にしたけど、ハーディング(群集心理)や自己ハーディング(自分自身の前例に沿って行動しがちなこと。)、アンカリング(ここでは、行動経済学におけるアンカリング効果ではなく、ある動作・行動がそれにひも付いた精神状態を呼び起こすことを指す。)も影響しているのだろうか。

コウジ:やっぱりモラルやマナーは、ロボットではなく、人間しか注入できない!ってことなんじゃないのかな。

ヤストモ:うん、そうだね。それに、未来は、自分自身で創り出していくものだよね。さぁ、、、それじゃあ次は、2016年に立ち寄った後で2020年に行って、様子を見てみようかな。

コウジ:旅路もそうだが、タイムマシンの決済をするときは、今度も気をつけろよ!

ジュンジ:スマ村の未来は、幸せのイデア、豊かさのイデアを映し出したものになるのだろうか。これからも共に問い続けていきたいね。
 

(完)
結びに代えて:

スマートフォンを取り巻く状況は、刻一刻と変化しており、最新情報をつまびらかに把握することは容易ではないが、末尾にURLを示したフォローアップに、その一端が整理してある。なお、スマ歩については、本コラム執筆中にも、危険であることなどを理由として差し控えることを促す掲示やアナウンスがなされるようになってきた。

また、スマホの台頭後、BYOD(Bring Your Own Device;BYOBからの派生とされる。)という言葉の登場からも、やや時間が経ってきた。本コラムでは扱わなかったスマホのビジネス利用は、筆者もオブザーバとして参加させていただいたCIO補佐官等連絡会議のワーキンググループ報告に詳しい。客観的な検討がなされていることに加え、BYODの定義自体や支給端末利用との相違点に関する検証のほか、私物端末利用タイプの分類など示唆に富む内容になっている。

「BYOD要件検討サブワーキンググループ報告書」(CIO補佐官等連絡会議、平成25年3月)
(URL:http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/hosakan/wg_report/byod.pdf

最後に、本コラムが、ご笑覧くださった方々にとって、少しでも有益なものとなっていれば、それは筆者にとり望外の喜びである。

参考ウェブサイト:
「スマートフォンの情報セキュリティに関する最新動向と今後の方向性
~スマートフォン・クラウドセキュリティ研究会最終報告のフォローアップ~」
(総務省、平成25年3月29日)

(URL:
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000043.html

(総務省 情報流通行政局 情報セキュリティ対策室 中谷 純之 氏)
※このコラムは2013年3月末時点の所属にて執筆いただいたものです。