Pocket

「え?幼稚園・保育園児がスマホを使っているの?」と驚かれる方もいるかもしれませんが、今、育児の現場ではスマホを使って静かにさせたり、一人で長時間遊ばせたりする「スマホ子育て」が大きな問題になっています。

私たちが行ったアンケート調査(2014年9月実施、全国の幼稚園・保育園児の保護者対象、有効回答1,158件)では30%以上の幼児が1日30分以上スマホを利用していることが分かったほか、50%以上の家庭でフィルタングもセキュリティ対策も行っていないスマホを幼児に与えていることも分かりました。

この問題のひとつの解決方法として、現在全国の幼稚園・保育園の保護者を対象にした無料のインターネット安全利用啓発セミナー「スマホのある子育てを考えよう」を実施しています。(主催:NPO法人e-Lunch、協賛:株式会社カスペルスキー)私自身も毎回15分ほどセキュリティの話をさせていただいています。

これまでに約30カ所の幼稚園・保育園を訪問しましたが、スマホの利用率や幼児の使い方に大差はなく、どこの地域の保護者の方も子育てにおけるスマホの扱いに悩んでいる様子が分かりました。もっとも、当初は希望者を募ってセミナーを実施していましたが、そもそもこのようなセミナーに自ら参加する保護者の意識は高く啓発を必要としないため、最近は保護者会やPTA総会などの行事の中に組み込んでいただき、あまり興味の無い方へのアプローチを行っています。

この効果は目に見えて上がっており、アンケートでも「小さな子どもがこんなにスマホを使っているとは知らなかった」「幼い時からのルール作りが大切だと思った」「親の使い方が子どもに影響を与えていることが分かった」「セキュリティ対策が大事だと思った」などの声をいただいています。

私のセキュリティコーナーでは「スマホはパソコンと一緒」ということで、ウイルス感染や個人情報漏洩の話からセキュリティ対策ソフトでは守ってくれない範囲が存在し、「利用者の心構え・知識・行動により左右される範囲」があることを意識するよう伝えています。

また、最近は偽ショッピングサイトやフィッシングサイトの具体例を説明し、「STOP.THINK.CONNECT」の考え方を伝えています。具体例を見せて説明すると、特に興味を持って聞いてくれるようです。

この「スマホのある子育てを考えよう」セミナーは2016年6月まで実施を予定しており、まだ実施園を募集していますので、ご自身のお子さまが通ってらっしゃる園やお知り合いの園をぜひご紹介いただければと思います。

スマホのある子育てを考えようセミナー
http://sumaho-kosodate.com/

今や子供たちにとってITは家電と同じ!?

今や子供たちにとってITは家電と同じ!?

スマホの利用開始年齢は年々低下し、ある調査によると小学生で30%、中学生で60%がすでに自分用のスマホを持っているというデータもあります。「遠い学校へ通学しているから」「夜、塾に行くから」「友達が持っているから」など、スマホを持つ(持たせる)理由はさまざまですが、「いつスマホを持たせるか」ではなく「スマホを持たせる時に何を教えるか」を考えなければならない時代になってきていると思われます。

心配しながらもスマホを持たせる現実を考え、小学4年生から中学3年生を対象に、楽しみながらインターネットやスマホの勉強ができ、気軽にネットで受検できる検定「ジュニアスマホ検定」(作成:静岡大学教育学部准教授 塩田真吾先生、監修:カスペルスキー)を広くご紹介しています。この検定に合格したらスマホを持っていいというわけではないのですが、一つの目安として、また、インターネットやスマホのことをよく知るきっかけになればいいなと思っています。

実は私の娘が現在中学2年生で、そろそろスマホを欲しがっています。早速この検定を受検させたところ不合格でした。本人はとても悔しがり、いろいろとインターネットやスマホのことを勉強して再挑戦するそうです。友達にも教えてあげると言っていました。

検定の最終目的は「家庭内のルール」を作ることです。検定を受けた後は親子で話し合い、ルールを作ります。ただ、一方的に親が押しつけるルールは子どもが納得しませんし、守りません。検定をきっかけにお互いが納得したルールを作成することが大切です。検定ではフォームを用意しており、作成したルールを印刷することもできます。

「ジュニアスマホ検定」はどなたでも無料で利用いただけますので、ぜひお知り合いの方にご紹介してください。

ジュニアスマホ検定
https://www.sumaho-kentei.jp/

親子のスマホ利用ルール作りに。

親子のスマホ利用ルール作りに。

また、学校関係者の方には「情報モラル診断サービス」をご用意しています。こちらは小学校高学年から中学校の先生が、児童・生徒のインターネット利用状況や情報モラルに対する知識の習得状況を把握することができるサービスで、こちらも無料でご利用いただくことができます。

情報モラル診断サービス
https://www.netmoral.net/

私たちカスペルスキーはロシアに研究所を置くエンドポイント保護ソリューションベンダーで、「Save The World from IT threats (IT上の脅威から世界を守る)」をミッションとして、日本でも約10年前から活動を行っています。日本人のインターネットセキュリティに対する意識はまだまだ低く、技術だけでは守れない「人の心の脆弱性」を解決しなければならないと考え、昨年より新たにCSR部門を設置し、セキュリティに関する教育・啓発活動を開始いたしました。

地域からセキュリティをサポートしようというSPREADの活動にも賛同し、会員として活動に参加しています。「スマホのある子育てを考えよう」これは子供たちにセキュリティを知ってもらうだけでなく、私たち大人にもその必要性を広く知っていただく活動です。カスペルスキーはこれからもIT上の脅威から世界を守るため、みなさんと一緒に様々な形の啓発活動を続けていきます。

著者プロフィール

籔内 祥司
株式会社カスペルスキー
社長室CSRマネージャー

大手ソフトウェアメーカーでコンシューマ製品の企画・マーケティングやネットショップの立ち上げを担当。2011年4月にカスペルスキーに入社し、コンシューマ営業本部長を経て2014年7月より現職。わかりやすく親しみやすいセキュリティ啓発を通じて「Save The World from IT threats」の実現を目指しています。