NetMamネットマム
代表
栗原 富智枝 様

 私たちがネット啓発活動に関わって今年で12年目になります。
 2008年に下田真理子先生(群馬大学名誉教授 下田博次先生 令夫人)のネット啓発講座を拝聴し「子どもはゲーム機からネットに繋げている。親の頭越しに有害なサイトを見ることもできるし、SNSで見知らぬ人と繋がっているかもしれない」と聞いたことが、設立のきっかけとなりました。その後、下田博次先生、真理子先生のご好意で月1回の勉強会を重ね、それが埼玉県ネットアドバイザーへと繋がっていきます。

 下田先生からは「ネットはメディアである。メディアは人を動かす力がある」ということを軸に教えていただきました。メディアは使う人の欲求によって、様々な姿形になり影響を与えること。使っている本人の自覚がないまま、常識が歪んでしまう可能性があること。「ネットは便利か危険か」ではなく、一人ひとりが賢い消費者になる必要があること等。当時の私たちには理解が困難でしたが、今は確信を得た普遍的なことを教えていただいたと思っています。

 NetMamネットマムのメンバー4人は、全員が埼玉県ネットアドバイザーの1期生です。
 埼玉県ネットアドバイザーとは、埼玉県青少年課に所属し、研修を受けた60名が年間350回のネット啓発講座を無料で実施しています。2010年の発足当初は、保護者講座だけでしたが、現在では未就園児の保護者講座から小・中学校の児童講座 及び、保護者講座まで活動範囲が広がっています。しかしながら、ネットアドバイザーは専門の研究家ではありません。
 「知った人から、知らない人へ伝えよう」という理念のもとに「保護者の立場で保護者目線で伝えよう!」というのが発足当初から活動の軸になっています。

 ネットアドバイザーとして活動している中、あえてNetMamを設立したのは、より幅の広い活動を目指したからです。スマートフォンが普及した今、乳幼児からシニア世代まで、誰もがネットを楽しむ時代になりました。便利な反面、使い過ぎ・頼り過ぎによる心や体への影響も深刻になっています。保護者として、子どもを正しく導くために!手本を見せるべき大人として、自分自身の利用を見直すために!全ての世代を対象にネット啓発講座を実施したいとNetMamを設立しました。

 しかし2020年以降は、新型コロナウイルス感染症の影響で対面式講座の実施が困難になりました。学校は休校になり、当面は講座の自粛をせざる得ない状況の中で、私たちは「2020年度Grafsec少額支援制度」を活用させていただき3つの事業に取り組みました。
 1つ目はZOOMを利用したオンライン形式の講座を実施するための環境作りです。2つ目は埼玉県家庭教育アドバイザー(※)への少人数制の勉強会です。保護者へネットの適正利用の啓発活動が出来る人材を増やすことを目的に実施しました。3つ目は、「特別支援学校」及び「聾学校」に特化した講座の作成です。当事者家族や関係者との打ち合わせを重ねながら、最終的に「特別支援の保護者講座」及び、手話通訳をつけての「聾学校親子講座」を完成させることができました。2020年度Grafsec少額支援制度を活用させていただくことで「講座の幅を広げる」という設立当時からの目標に一歩近づくことができました。あらためましてGrafsec事務局の皆様に感謝申し上げます。

 私たちNetMamネットマムの名前の由来は…ネット発祥の地アメリカで、1990年代に子どものネット利用の危険性に警笛を鳴らした保護者がいました。これからの子育てにはネットの理解と知識が必要だと考え、自ら勉強し学び合い、それを拡げていく活動を始めました。その団体の名前がネットマムです。
 日本にも子どもの健やかな成長を見守る大人がいます。登下校を見守るパトロールの方がいるように。絵本の読み語りをするグループがあるように。私たちもその一員として、子どものネット利用に寄り添い、見守りたいと思いネットマムと名付けました。
 これからも地域に根差した草の根的な啓発活動を細く長く続けていきたいと思います。

(※)埼玉県家庭教育アドバイザーとは、子育てに関する専門的な知識・技能を有し、県内各地域で活躍できる人材。埼玉県教育委員会が養成する研修を行っている。

執筆者プロフィール

栗原 富智枝 様
NetMamネットマム 代表
 2010年 埼玉県ネットアドバイザーの資格習得
 2016年 NetMamネットマム設立。2019年2代目の代表に就任
 2019年 子育て支援センター相談員
 2021年 小学校支援相談員
 その他 接遇マナー講師/和礼法講師として行事や講座を開催

団体概要

NetMamネットマム
https://netmam201605.jimdofree.com/
NetMamは、お母さん4人が集まりネット啓発活動をしている団体です。
活動の経緯は以下のとおりです。
 2008年 下田真理子先生 (群馬大学名誉教授 下田博次先生の令夫人) のネット啓発講座を拝聴し衝撃をうける
 2009年 下田博次先生(群馬大学名誉教授)による勉強会を開始
 2010年 埼玉県ネットアドバイザー養成講座受講。指導者は下田博次先生ご夫妻。
 資格を取得後は、県内の小・中学校で児童、及び保護者向け講座を実施
 2016年 ネットアドバイザー有志4人でNetMamを設立。より幅の広い活動を目指す

2022/04/13

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