高校生ICT Conferenceは、2011年度に「ICTプロジェクト 高校生熟議 in 大阪~ケータイ・インターネットの在り方&活用法~」として大阪でスタートしました。2020年はコロナの影響のため初の各地域オンライン開催となりましたが、参加できなかった地域からも参加することができるなどのメリットもありました。今年は「新しい生活様式とICT活用法」~行動制限の時代に生きる~をテーマに高校生がグループに分かれて活発な議論と発表を行いました。さらに各地域の、高校生ならではの意見を政府に届けるべく、11月15日は全国代表オンラインサミットそして12月10日(リアル会議)には内閣府、文部科学省、総務省で高校生2名が発表させていただきました。初めてのオンライン開催ということもありいろいろと心配もありましたが、多くの方々のサポートもあり、実り多きカンファレンスになりました。
 高校生ICT Conferenceの開催目的には、二つの側面があります。その一つは、教育的側面であり、初対面の人と話し合うという経験の中で、段階的に「考え、まとめる、聞く、話す、見せる、伝える」などの技術を修練することです。第二に社会的に注目を浴びている携帯電話やインターネットをテーマとすることで、大人になる準備段階として、携帯電話やインターネットを安心して安全に使うために、高校生として情報モラルについて自ら深く考え、実践することで、将来のより良いインターネット利用環境の構築の一助とすることです。
 今年の特筆すべきポイントは新しい形式のファシリテートです。大阪のConference OB/OGの大学生を中心に今回はオンラインでの研修会を一回2時間から3時間かけて計4回実施しました。そしてこの研修会を全国にも呼びかけ8月末そして9月末に全国のメンバーとも共有させブラッシュアップを図りました。今回初めてのオンラインということで特にファシリテータの大切さを改めて参加者も認識したことで実現しました。オンラインなのでコミュニケーションのむずかしさ、間合いの取り方、メモの取り方他本当に細かな点までいろいろと研修を実施しました。今回取り入れたオンラインの手法は現場の課題解決と教育政策形成の新たな手法として期待される一方、オンラインでのファシリテータの実績は、関係者の参画意識の向上、新しいコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力の向上、学びあい、協働のための意識と行動の促進、参加者がともに作り上げる解決策など高い教育効果と民主的な態度の育成に貢献したと考えます。結果として各地域のオンラインでのファシリテートもどの地域も特に大きなトラブルもなく活気があり、すばらしいConferenceになりました。
 今後多くの教育現場でオンラインでも熟議を望めば実施できることを共有してほしいと思います。来年度は、リアル形式とオンライン形式で開催地の拡大を企画しています。またオンラインの運営のマニュアル化も進めていて今年成功した事例をさらに今年未実施の他地区にも展開したり、オンライン熟議の更なる研修を実施したりしたいと考えています。

案内ページ:
https://www.good-net.jp/ict-conference/2020/

執筆者プロフィール

米田 謙三 様
大阪私学教育情報化研究会 副会長、関西学院千里国際中等部・高等部 教諭。
専門分野はICTを活用した効果的な教育。公益社団法人英語検定協会の派遣講師や文科省委託事業 先導的教育情報化推進プログラム調査研究協力会議委員を務める。また中高生が自らネットモラルを考えるICT Conference実行委員長や警察庁児童のスマートフォン利用に関する効果的な広報啓発に関する研究会委員を務め各地で研修も多数実施している。

2021/1/13

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